筋力低下?高齢者の便秘と原因を考える

高齢者の便秘を考えると、まず男性と女性の便秘率が同じ程度になる傾向があります

若い頃は女性の方が便秘に悩む人が多いようですが、高齢者になるとだんだん男性も便秘の人も増えてきます

便秘というと単なる腸の調子が悪いというふうに言われてしまいますが、実は特に高齢者の場合はこの便秘こそ身体的そして精神敵な低下につながっているという報告もされているのです。

最近では病院の外来にも、便秘の悩みで来る患者さんも増えていると言われています。

確かに高齢者は運動も不足し体中の筋肉が弱るので、便秘に影響のある腹筋や腸の筋肉が弱ってしまうのも当然のことかも知れません。

しかしどうも原因はそれだけではなく、腸内に存在する大切な善玉菌も年齢とともにどんどん減ることから、腸内環境が悪くなるということもあるようです。

排便をしたいという信号を受ける神経が鈍くなってしまうと、排便欲求が感じられないため直腸性便秘も起こります。

そのために長く腸内に止まって、ますます便秘がひどくなりお腹が痛くなることもあるのです。

このように老化によって、いろいろな筋肉や機能が弱ってしまい、それが原因で便秘が起こりますが、これらをまとめて老人性便秘というふうに言われています。

老人性便秘にはいろいろな種類の便秘が重なっている可能性もあり、その都度その状態にあった食生活や運動、静養などをしていくことが必要になります。

ただし毎日排便していた人が毎日排便できなくなったから、すぐに便秘だと決め付けることはありません。体調や年齢、食べ物などによっても毎日排便がないこともあります。

まして老化のため食事量が少なくなると、毎日排便しなくても特に問題があるとは言えないのです。便が出ないとことがストレスになってしまうと、ますます出なくなることもあります。

お腹が苦しい、お腹が張る、腹痛、吐き気、胃痛などの問題がなければ、まず様子を見てみましょう。週に2回程度の排便があれば正常範囲と考えられます。

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便秘の原因によって高齢者看護を考える

最近では高齢者と同居することも多くなりました。便秘は老人になるとより多く発症することもあるので家族も便秘の原因を知り、食事などにも気を配ることが大切になります。

また便秘を少しでもなくすように、排便要求があったらすぐにトイレに連れて行くなど、タイミングを大切にした支援をしてあげましょう。

まず高齢者の便秘の原因では弛緩性便秘が多くなります。どうしても腸の筋肉が弱くなるので、腸のぜん動運動が弱って起こってしまいます

しかし、もし下痢と便秘を繰り返すようなら、痙攣性便秘ということも考えられます。他にも老化によって排便反射が鈍ることから直腸に便が溜まってしまう、直腸性便秘ということも考えられます。

このように同じ便秘でも原因が違うと、食べ物や便秘におすすめの生活習慣も違ってくるので注意が必要になります。

便秘の高齢者の看病の一貫として、とにかく食事には気を使うようにしたいものです。高齢者の便秘の場合、キノコ、海藻、ヌルヌル野菜を食事に使うようにしましょう。

特に腸内の強い刺激は逆効果になるので、不溶性の食物繊維を中心に摂るようにします。

繊維の強いゴボウやサツマイモなどは、腹痛が起こったり便秘がひどくなることもあるので、摂りすぎにならないように注意が必要になります。

下痢も度々起こすようならストレス性ということも考えられます。消化のいいものをメニューとし、体を冷やさないようにしましょう。

下痢のない便秘ならお散歩なども意識的に連れだして、運動をさせてあげることも大切です。

しかし下痢と便秘を繰り返すなら、一時的に安静にして消化のいいものを出すようにします

また腸内の善玉菌は年齢とともに減る一方なので、善玉菌が多く含まれているヨーグルトや善玉菌を強くするオリゴ糖類を摂取するように考えてあげましょう

他にケアとしてはお腹のマッサージをしてあげたり、不安や悲しみなどがあるようなら話を聞いてあげるような、精神的な看護も必要になることもあります。

あまりひどいときには病院に相談に行き、それぞれの高齢者にあった便秘薬をもらうようにします

病院に行くときにはどのぐらいの期間便秘しているのか、便の状態、形態などをチェックして医師に伝えられるように細かいチェックがあるといいでしょう。

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高齢者の便秘解消について

高齢者も便秘に苦しまされている人が多いようです。そんな高齢者の便秘解消についていろいろな面から考えてみましょう。

まず高齢者は腸内の善玉菌は極端に少なくなり、腸内環境が悪化しやすい状態になっていきます。

赤ちゃんから幼児期にかけて、腸内のビフィズス菌は90%以上と言われていますが、年齢とともにどんどんビフィズス菌は減っていき、その反面悪玉菌が増えるということになります。

高齢者になると30%以下という人もいるほどです。そこでまず腸内善玉菌を増やすために、乳酸菌やビフィズス菌、またそれらの餌ともなるオリゴ糖などを摂取して腸内環境を良くしていきましょう。

食事から摂れないときにはサプリなどを考えるのも良いかも知れません。

次に腹筋などが弱くなり、便を押し出すことができなくなってきます。そのために腹筋力を高めるために、高齢者でもできる便秘体操などをしたり、毎日散歩などをするなど適度に運動をすることも大切です。

また筋力アップも限界があるので、腸の押しだす力だけでなく、腸がスルッと出やすいように水溶性の食物繊維も必要になります。

また高齢者になると食事の量も減っていきます。食事量が少なくなると、当然食物繊維の減少なども起こってきます

どうしても野菜の量も減り、便秘になりやすい環境になることも関係あると言えるでしょう。またそれと同じに水分の摂取量も少なくなり、腸内の乾燥が便秘につながることもあります

食物繊維などはサプリなどからの補給も高齢者にはおすすめです。

そして高齢者になると、どうしても若い人より薬を飲む機会も多くなりますが、薬の副作用などの便秘も。

特に便秘を起こしやすい薬として、咳止め、不整脈の薬、血圧降下剤、抗うつ剤、向精神薬、抗生物質などがあります。

高齢者は咳が出やすく、不整脈や高血圧のトラブルを持っている人も多くなり、老人うつなども増えてくるので精神にかかわる薬の投与も増え、便秘になるリスクも増えるのです。

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高齢者の便秘予防のための食事対策

高齢者になるとどうしても便秘になりやすくなります。そのため便秘予防のための食事やデザートのレシピのご紹介をしましょう。

家族に高齢者がいる場合は、特に食べ物も注意してあげましょう。まず消化の良いものは原則となります。歯が弱っている人も多く、胃腸の働きも低下しているので消化の良いことが大切です。

乳酸菌と水溶性食物繊維を摂取できるデザート
乳酸菌と言えばヨーグルト。ヨーグルトに乳酸菌の栄養分ともなるオリゴ糖が多く含まれているハチミツで甘みをつけ、そこに寒天を煮溶かしたものを混ぜて、ヨーグルト寒天を作りましょう。

寒天は水溶性食物繊維が豊富で便秘解消にもおすすめの成分です。これらは腸内環境のために良いと言われている食材によるデザートとなります。

フルーツをプラスしてお皿に盛れば、より食物繊維やビタミンC補給にもなるのでおすすめです。

山芋とオクラの和風サラダ
山芋とオクラのヌルヌルは、水溶性食物繊維が豊富です。高齢者になったらごぼうの筋のように不溶性食物繊維より、水溶性食物繊維の方が便秘にも効果的です。

そこでヌルヌルサラダを作ります。山芋は擦ってご飯に掛けても美味しいものですが、やはりついツルツルとご飯を噛まずに飲み込んでしまうので消化には悪くなります。

そのため山芋は固形のまま食べることをおすすめします。これらを細かく切って、そばつゆを掛けて和風サラダにしましょう。納豆が好きであれば細かく刻んだ納豆をプラスするのもおすすめです。

ハンバークは高齢者でも消化良く、お肉を食べることのできるメニューの1つです。しかし高齢者の食事対策として、きのこを細かく切って入れるといいでしょう。

例えばエノキやシイタケ、シメジなどなんでもいので細かく刻んで肉と一緒に混ぜてしまいます。また少し木綿豆腐を入れても、味わいは軽くなって食べやすくなります。

豆類は食物繊維も豊富です。小豆を1日ポットに入れておき、朝お湯を捨てて砂糖と一緒にナベで小豆を煮ましょう。

煮汁がなくなり甘さを適度に付けたら、寒天を溶かしたものと同量の煮た小豆を入れて固めると小豆寒天ができます。これは高齢者には好まれる味のデザートとなるでしょう。

高齢者の便秘の症状について

高齢者の便秘の症状はどのようなタイプが多いのでしょう。例えば便秘が多い場合、下痢と便秘を繰り返す場合などさまざまです。

高齢者の便秘の原因を考えると、その症状も納得できるのではないでしょうか。まず高齢者は腸のぜん動運動が弱ってきます。全体の筋肉が低下するため、どうしても腸内の筋肉もよわってきます。

そのため食べたものが溜まっても、肛門まで押し出すことができないための便秘が多くなるのです。また食事量が少なくなると、当然押しだしも弱くなります。

食事量が減ることで食物繊維の摂取も減り、水分も少なくなるため、全体に便秘の条件が重なっていくのです。

そして一番の原因には、やはり腸内環境が悪化するということではないでしょうか。善玉菌が極端に減り悪玉菌がその分増えていきます

そのため腸内にガスがたまり毒素が体内に吸収されることにも。便秘のリスクはどんどん増えるばかりです。

このような高齢者の場合、下痢より便秘の方が多いと言われています。もちろん消化力や胃腸の働きが低下するので下痢をすることも。

しかし特に働き盛りに多いストレスによる痙攣性便秘のように、下痢と便秘を繰り返すことはあまりなくなります。逆にまったく排便ができなく苦しくなるということの方が増えてくるようです。

このように高齢者の便秘はストレスによるものより、他の原因が多くなります

ただし老人鬱などになると自律神経が乱れるため、痙攣性の便秘も起こります。その場合は便秘と下痢を繰り返すことも考えられると言えるでしょう。

しかしできるだけ便秘薬を飲まずに、自然なかたちで便秘を解消したいものです。食物繊維の多い食事を摂ること、適度な運動をすることなども考えてみましょう。

特に妊娠中の運動は妊婦用のヨガや水泳などのスポーツ意外に、毎日の散歩もウオーキングとして効果があります。気分転換にも是非おすすめです

高齢者の便秘対策

高齢者は便秘になりやすいと言われています。そのため高齢者の便秘の対策について考えてみましょう。

まず乳酸菌などの善玉菌がとても減ってくるため、是非善玉菌を摂取していくことをおすすめしたいと思います。

また乳酸菌などは腸内にずっと居着くものは少なく数日で寿命となります。そのため乳酸菌などの摂取は毎日続けることがとても重要となります。

また高齢者の善玉菌の減少はとても多くなるため、ヨーグルトなどだけでは摂取量が追いつかないということも。そのため乳酸菌サプリメントなどからの摂取も考えてみましょう

また高齢者は筋肉も弱るので、少しでも特に下半身の筋肉を強める運動をしていきたいものです。

とはいっても過度な運動は膝や腰などを痛めてしまい、逆に動けなくなる可能性があります。そのためウオーキングなど気楽に無理なくできる運動を毎日続けることが大切ではないでしょうか。

特に毎日30分でいいのでウオーキングしてみましょう。また芋虫のように横になりながら、ゴロゴロ転がるだけでも腸内の筋肉を刺激することができます。

また高齢者向けの健康体操などやっているところがあれば、体調に合わせて運動を定期的に行うこともおすすめです。

あとは食事の面からの対策も忘れないようにしましょう。キノコ、海藻、ヌルヌル野菜などを意識的に摂るようにし、逆にあまり硬い繊維質は避ける方がいいでしょう。

高齢者になると消化しない不溶性食物繊維は逆に便秘になったり、消化不良を起こして下痢してしまうこともあります。

またあまり脂肪分の多いものを避け、魚や大豆によるタンパク質を多めに摂るようにしましょう。便秘解消にかかわる、体によい脂肪を摂取するなら肉より魚です。

もちろん肉も摂取することも大切ですが、魚を多く摂るようにしたいもの。特に消化も魚の方が良く、DHAなどのサプリメントもおすすめです。

食事の量とともに、水分もあまり摂らないということが起こりやすいと言われています。水分は意識的に摂るようにしたいものです。

 

 

 

 

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